先日広島に所用があり、呉まで足を延ばしてきました。
呉と言えば海上自衛隊の拠点であり、そこで胸にぐっとくる海の男たちのお話を伺うことができました。
それは何十年も昔のお話です。
日本の潜水艦が、訓練中に事故で沈没してしまいました。
同じ頃フランスの潜水艦も沈没して、何週間後かに引き上げられました。
残念ながら生存者はおらず、痛ましいことに多くの乗組員は脱出の望みをかけて、ハッチのすぐ近くに折り重なるように倒れていたそうです。
その後日本の潜水艦も引き上げられることになりました。
フランスでの例があったので、ハッチ下の悲惨な状況を覚悟してそっとハッチを開けたそうです。
ところがハッチの下には誰もいません。
不思議に思って、救助チームは潜水艦の奥まで入っていったそうです。
日本人乗組員は一箇所にかたまることなく、散らばった場所で絶命していました。
それはそれぞれの乗組員の持ち場でした。
一人一人が最期の瞬間まで諦めずに自分のすべき事に取り組んでいたのです。
なんという強靭な精神の持ち主たちで、なんとプロフェッショナルな人たちなのでしょう!
敬礼!
思わず涙腺が崩壊しそうになります。
そしていしだは、おそらく多くの日本人は同様の境遇になれば同じように振る舞うだろうな、とも思うのです。
自分にできることや自分に託されたことをやり遂げることは、人としてとても尊いことに違いはありません。
ちなみにこのお話は呉市からフェリーで20分ほどの地に江田島で聞きました。
ここには知る人ぞ知る名所、「第一術科学校」海上自衛隊の幹部候補生のための学校です。
自衛官OBによるガイド付きで見学できます。
非常にためになる大人の社会見学でした。