日本年金機構が発行する「国民年金・厚生年金 被保険者のしおり」という小冊子があります。
年金制度について分かりやすく説明されており、区役所などのカウンターにも置いてあります。
秀逸なのは「年金とライフステージ」というページ。
女性は就職、結婚、退職などで加入する年金の種類が変化する人が多いので、「花子さん」という架空の登場人物の一生で年金の切り替えを示しています。
なんとlこの花子さん、波乱万丈な一生なんです。
あらすじは
18歳で就職した花子さんは21歳のとき海外旅行先で、N.Y.に赴任中のエリート若手サラリーマンの太郎さんと出会います。
そして結婚、一人息子の颯太くんを授かります。
その後、夫の太郎氏は45歳で脱サラして飲食店を開業。リストラに遭ったのでしょうか、それとも早期退職制度を利用して一国一城の夢を実現させたのでしょうか。息子の颯太くんは13歳、これから教育費にお金がかかる年頃です。ちょっと心配ですね。
無理がたたったのでしょうか、太郎氏が48歳で不慮の事故により急逝してしまいます。花子さんは43歳、颯太くんは高校生、働き盛りの大黒柱を失って、花子さんの悲しみは想像を絶します。
花子さんも40歳代前半なら再婚してもおかしくない年齢ですが、夫への愛情からか、社会制度の充実からか、再婚せずに遺族年金を得て生活したようです。
やっと一人息子の颯太君が就職したと思ったら、また花子さんを災いが襲います。颯太くん、24歳のときに交通事故で大怪我。夫に次いで息子まで失ってしまったらどうしよう!と胸が張り裂ける思いだったでしょうね。
やがて颯太くんも回復し、年月が穏やかに過ぎていきます。
このおはなしは「ゴール:花子70歳、颯太一家と楽しい年金生活」とのコメントで終わっています。
これだけ波乱に満ちていて、年金生活が楽しいんかい!と突っ込まずにはいられません。
また「颯太一家」とありますが、途中、颯太くんの結婚には触れてません。颯太くんは表沙汰にできない結婚だったのか、事実婚だったようです。
夫と早くに死別しても、老後は年金があればこんなにハッピーなんですよ〜ということがヒシヒシと伝わってくるシュールはお話でした。
日本年金機構の広報も、なかなかやるなぁ・・・・。